自分では「健康そのもの」と思っていても、外から入ってくる病気の予防はなかなか難しいときもあります。それは自分自身や家族、そしてペットにも言えることです。日常で気をつけるだけではなく、病院で行う予防対策も健康を維持する秘訣です。様々なウイルス、虫、病気からしっかりペットを守るために、特に外せない犬の5大予防について学んでおきましょう。
犬の5大予防
1.狂犬病予防接種
日本では「狂犬病予防法」という法律で、生後90日以降の犬には狂犬病ワクチンの接種が義務づけられています。毎年1回注射をして市や街に登録しなければなりません。そして交付された注射済票を必ず犬に付けておかなければなりません。
2.混合ワクチン接種
狂犬病ワクチンとは異なり、任意接種となります。年に1回、継続して注射をしていきます。
ジステンパーやパルボウイルス感染症など、犬同士で感染が頻繁に見られる疾患を予防できます。
3.フィラリア予防
フィラリアとは、蚊が媒介する寄生虫です。
この虫は「そうめん状」の形状をしており、血液中や心臓に寄生します。心臓が苦しくなったり、咳をしたり、お腹に水がたまったり(腹水)などの症状があります。
毎月1回、薬を服用することで予防でき、内服薬の他にも、注射や首に滴下する薬もあります。
時期は、蚊の発生と密接に関わるため、住んでいる場所にもよりますが、4月から12月までは予防します。
4.ノミとマダニの予防
散歩中に草むらに入ると、ダニが犬の体にくっつくことがあります。また、野良猫が常駐している場所などは、ノミが発生していることがあります。犬猫だけでなく、人にも移るので飼い主さんも刺されてしまいます。
ノミやダニは、皮膚に付着し血液を吸います。そのため、刺された部位が痒くなったり、精神的に不快になったり、貧血になってしまいます。
予防としては、首のところに滴下する薬があり、ほかにも内服する薬や昔からあるノミ取り首輪もあります。月に1回、年に6回予防します。
5.腸内寄生虫の駆除
犬は、毎日の散歩で様々な刺激を取り入れています。そのため興味深々に、なんでもクンクン嗅ぎまわったり、時にはペロッと舐めたり、口に入れたりします。そのときに、お腹の中に寄生する虫が入ってしまうこともあります。
腸内寄生虫がお腹にいると、子犬の成長に支障が出たり、よく食べるのに痩せてきたり、ずっとお腹を壊したりします。
そのような症状が見られ腸内寄生虫の存在が疑われる時には、検便をして虫卵を発見し駆虫薬を服用します。年に3~4回の検査と駆除が勧められます。
病気は、かかってしまった後の治療よりも、かからないための予防が大切です。ペットが健康に過ごせるように、まずは予防を意識するよう啓発していきましょう。