台風に限らず、自然災害の影響は、人間より数倍も動物たちが過敏に反応します。まずは、人が落ち着いて冷静になることが大切ということを飼い主さんへ伝えられるようにしておきましょう。
こわがる犬猫の対応
不安時の症状
- 過敏になり、飼い主さんを咬んだりすることがある。
- 大きな音や声を非常に怖がる。
- 周囲を見渡し、キョロキョロし落ち着かなくなる。
- 人から離れなくなり、飼い主さんのあとをついて歩く。
- 眠りが浅くなる。
- 細かい震えが止まらなくなる。
- 足先などをいつも舐める。
- 食欲不振になる。嘔吐する。
- 下痢や血便をする。
- 猫はおしっこが出なくなる。
このような症状がみられても決して慌てないで、大声で指示したり、叱ったりしないことです。特にお子さんが叫んだり騒いだりすると、ペットは興奮し動揺しますので、注意しましょう。
飼い主が気をつけること
- ドアの開け閉めは気をつけて静かに行う。
- 食器やその他のものをなるべく落とさないなど、大きな音を立てないようにする。
- 昼夜を問わず、できるだけ抱きしめるようにする。できれば、夜も一緒に寝てあげる。
- 余震などが起きても、飼い主さんが動揺しない。落ち着いて行動する。
- いつでも新鮮な水が飲めるようにしておく。
- ご飯はいつもより少なめに。ドライフードならお湯でふやかすなど、消化しやすいようにして与える。
犬猫の聴覚はとても発達しており、犬は五感のうち嗅覚に次いで鋭く、その感度は人間の約6倍といわれています。物体が落下する音などは、犬は人間の限界の400倍の距離でも聞き取れるといわれています。一方、猫は人間には聞き取ることができない5万ヘルツもの高音を聞き取ることができます。
犬猫はどの方向で音がしたかを聞き分ける能力も抜群で、人間が16方向しか判別できないのに対して犬は32方向、猫は耳を180度方向転換させることが可能です。それは、耳を動かす筋肉が大変発達していて、前後左右に向きを変えられるためです。犬の場合、もちろん立ち耳の方が垂れ耳よりも感度は優れています。
そのため、ペットに不安時の症状がみられるときは、特にドアの開閉などの生活音も極力抑えるようにし、神経を刺激しないようにしてあげましょう。
自然災害や緊急時に飼い主さんや家族が慌てないためにも、普段からの備えや避難訓練など積極的に行うよう、呼びかけましょう。